後妻業の女

2016年8月28日 映画
後妻業の女
後妻業の女
おかしな夢を見た。
気が付いたら年を取って、同じ時代の知り合いは誰もいない。
何年も寝たきりで起きるのも難儀な中、子供の頃にうとうとしてる夢を見た。
夢の中で大人になる前に世の中からいなくなりたいと思っていた。
子供は大人になった自分を夢に見るのが嫌で、どうやったら苦しまずに
まわりを苦しめずに世の中からいなくなれるかの夢を見ていた。

夢の中で夢を見ている入れ子のような夢をよく見るけど、寝たきりの姿も子供の頃の姿も自分のようで自分でないようでおかしな夢だった。

先週、試写会があたって「後妻業の女」を見てきた。
高齢者ターゲットの結婚相談所でモテるのは高齢、お金持ち、病気持ち、すぐに寝たきりになりそう尚更なら大歓迎。
そんな相手を探しては次々と結婚、死別を繰り返す役柄は、演技派の大竹しのぶにはもってこいだけど、やっぱりリアルの強烈さとは比べようもない。

7人殺したと言われている筧千佐子容疑者の「私は人生を楽しく生きたい」の言葉を大竹しのぶは忠実に再現しているけど、むしろ悪女キャラにせず、かよわいイメージにした方が面白く怖い映画になった気がする。明るい悪女的なコメディにもなりきってない。

藤あや子は、付き合った男性が二人自殺してることをワイドショーできかれたとき。
「魔性の女なんて言われてます」と微笑みながら答えてた。

荻野目慶子は不倫相手の河合義隆監督が自宅マンションで自殺した時に
「別れ話はしたけど自殺してなんて頼んでないんですよ」とおっとりと答えてた。

恋愛は勝ち負けじゃないけど、死んでもいい殺されてもいいと思えるほど誰かを好きになれる人は幸せだと思う。
最初から殺すのを目的に近づいてきた人に気づかずに殺された人は別だけど。

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