大阪女児焼死 元内縁の夫にも再審無罪判決
大阪女児焼死 元内縁の夫にも再審無罪判決
大阪市東住吉区で1995年、小学6年の女児(当時11歳)が焼死した民家火災の再審で、大阪地裁の西野吾一裁判長は10日、殺人罪などで無期懲役が確定していた母親の青木恵子さん(52)に続き、元内縁の夫だった朴龍晧(ぼく・たつひろ)さん(50)にも無罪判決を言い渡した。
西野裁判長は、朴さんへの大阪府警の取り調べについて「首を絞められるなどの恐怖心を抱くような取り調べがあった」と認定。自白の任意性を改めて否定した。

事件が報道されて20年以上。今回、行き過ぎた取り調べが問題になった。
大阪府警の元幹部(67)は「当時としては精いっぱいの捜査をし、自信を持っていた」と振り返る。判決で証拠能力が否定された朴龍晧さんの「自白」についても、「疑いようのない供述だった」と、今でも感じているという。

無実の罪での20年は長い。
当時、疑われた理由は焼死した長女に1500万円の死亡保険金が掛けられていて、その数か月後に起きた火事だったから。当時、生活に困窮していたというのに何故11歳の子供に1500万円の保険をかけようとしたのか。

朴元被告が06年1月、支援者らに宛て、拘置所から投函した手紙に、自らの無罪を主張した。

「十年以上経っても、火事から子供を救助できずに死なせてしまった重い自責の念と性的虐待をした重い自責の念とが心に取り憑いていて、心が裂ける程激しく締め付けられます」
焼死した女児への自責の念が、偽りの自白へと導いていったのだという。


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