終わらなかった夏の終わり
終わらなかった夏の終わり
よつばとを読んでから、やけに昔を思い出す。
10代の後半くらいのころ、近所の小学生が部屋に転がり込んできた。両親が借金をして子供を置いて雲隠れしてしまたという。
映画「セントラル・ステーション」や「コーリャ 愛のプラハ」のように、やれやれと面倒を見ていた+「よつばと」のようにわいわいと楽しいという感じ。当時、その日暮らしだったから坂田靖子の「ヒューイデューイ物語」に近かったかな。

子供が養護施設にいれられてしまうまでの1年半。当時の給料が8万で生活は大変だったはずなのに苦労した記憶がない。

「よつばと」に砂浜に手をいれて引き潮に流されないように踏ん張ったり、車のバックシートから顔を出して騒いでいたりしたエピソードがあるけど、当時のことを思い出して懐かしいなあと思う。今はどうしているんだろうか。

小さいのにワイルドな生活だなあと思っていたけど、それから自分も転がり続き、何処へ向かっているのかもわかりもしない。そんな生活の中で時折、終わらなかった夏を思い出すのもいいんじゃないかな。
フェリーニのいう「人生は祭り」。そして、いつか祭りは終わるもの。
中島みゆきの「永遠の嘘をついてくれ」のように、やがては上海の裏町で病んでしまうような終わりが待っているのかも知れない。でも、それはそれでいいのかもという思いもする。

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